Who we are

IncluDE 多様性包摂共創センターとは

IncluDEは、当事者の困り事を起点に様々な実践領域と研究領域をつなぎ、ジェンダー・エクイティとバリアフリーの推進を通して、多様な人々の公平な包摂を実現する学知とキャンパス環境を共同創造します。

 東京大学では、平成14年(2002年)に設置された「バリアフリー支援室」と、平成18年(2006年)に設置された「男女共同参画室」が中心となり、障害者支援とジェンダー平等を推進し、インクルーシブなキャンパスづくりに貢献してきました。令和6年(2024年)4月、この2つの室はこれまでの蓄積をふまえて発展的に統合され、「多様性包摂共創センター Center for Coproduction of Inclusion, Diversity and Equity」として新たな出発をし、「世界のだれもが来たくなる大学」の実現を推進します。センターの愛称はIncluDE。みなさん、気軽にIncluDE(インクルード)と呼んでください。

IncluDEのキーワードは「共同創造 (Coproduction)」。この言葉には当事者(女性、ジェンダーマイノリティ、障害者など)と研究者が力を合わせて、ともにより良い社会をつくっていく意味が込められています。だから合言葉はNothing about us without us!(私たちなしで私たちのことを決めないで!) このスピリットを大切にしながら、IncluDEでは以下の目標に向かって活動します。

01

当事者と
研究者の共同創造

当事者と研究者が力を合わせて需要・ユーザー主導の研究開発を推進していきます。

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02

研究と実践の好循環

IncluDEでは、課題解決に貢献しうる最新の研究成果を支援実践に活かします。そして、学内外の支援実践によって得られる当事者のニーズを情報収集・分析することで新たな研究開発につなげていきます。

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03

ジェンダー平等の達成

東京大学は、今日まで学生も教員も男性が圧倒的なマジョリティを占め、女性は完全なマイノリティとなっています。IncluDEは、ジェンダー多様性を大切にし、だれもが活躍できるキャンパスを実現し、さらに日本と世界のジェンダー平等に着実に貢献していきます。

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04

ライフステージに合った支援体制

学生と教職員を担当する部署を統合して、大学構成員全員に、それぞれのライフステージに合った支援体制を実現します。

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05

交差性を考慮にいれた支援と環境整備の実践

現代社会の差別構造は複雑です。ジェンダー、障害、エスニシティなどが重なり合う差別が存在しています。IncluDEでは、女性障害者、外国人障害者など、複数の差別構造が交差することによって起こる特有の不利益にも対応します。

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こうした目標のもと、IncluDEには2つの室を統合したDEI実践部門を置き、マイノリティ性をもつ学生と教職員をシームレスに支援する体制に改組した事務組織とともに環境整備と支援に取り組んでいきます。それに加えて、諸分野に分散している学内のDEI関連の研究を糾合したDEI研究部門を設置し、この分野の最先端の知見を生み出し、可視化します。DEI 共創推進戦略室は、これら2部門をつなぎ、双方向の好循環を生み出します。

IncluDEはまた、本学全ての構成員が、人権に関するセンシビリティを研ぎ澄まし、主体的にDEI実現を目指すグローバル・シチズンとなるよう、教職員や学生を対象にしてDEIに関する教育や研修を実施します。

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Top Message

トップメッセージ

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東京大学総長

藤井 輝夫

President, The University of Tokyo
Teruo Fujii

東京大学は、本学の基本方針を示した「UTokyo Compass 多様性の海へ:対話が創造する未来」(2021年9月公表)において、対話を通した創造、 多様性と包摂性を大切にし、世界の誰もが来たくなる大学を創り上げていくことを基本理念に掲げています。東京大学多様性包摂共創センターは、その実現を目指す場として設置されました。

人類社会が直面する地球規模の課題に取り組むには、多様なバックグラウンドを持つ人々がこの困難な状況について自ら「問い」を立て、それを共有し、ともに考えることが大切です。本センターには、東京大学の多岐にわたる先端的分野の研究者が結集し、分野横断型・学際的研究モデルを創り、実践します。

本センターにおけるDEI 関連分野の最先端の研究成果を支援現場に反映させ、逆に支援現場で得られる未解決課題を研究へインプットする、そのような研究と支援の好循環を生み出すことで、一層公正な社会の実現に向けて貢献していきます。

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東京大学理事・副学長

林 香里

Director and Vice President
Kaori Hayashi

IncluDEのウェブサイトへようこそ。
私は2021年に理事・副学長に着任し、東京大学の多様化を使命として取り組んできました。そして、東京大学を、誰もが心地よく研究でき、教育を受けられる場にするために、男女共同参画室、バリアフリー支援室といったそれぞれの専門を持つ「室」に横串を通して、真にインクルーシブなキャンパスを考える包括的な場を作ることが、ひとつの大きな目標でした。

インクルーシブなキャンパスとはつまり、ダイバーシティ(多様性)を前提としている「他者」がいることが当たり前という認識をひとりひとりが持つ場をつくるということです。気心の知れた仲間同士で「言わなくても通じる」環境は、気楽かもしれません。けれども、それを気楽と感じていない人もほんとうはいるはず。出自も考えも異なる人のことを考え、行動することは、想像力の鍛錬・創造性につながります。それは学問に励む場としての基礎であるだけでなく、東京大学で、そして広く社会において活動するひとりひとりの生きる力=幸せへと循環していくのです。何より、ダイバーシティが包摂された環境は、新たな発見の連続で楽しいです!

「東京大学多様性包摂共創センター」の開所はゴールではなく、スタートです。東京大学の構成員一人ひとりにD多様性、E公正性、I包摂性を意識してもらい、キャンパスで自分の能力を存分に発揮できるようサポートする、そんな役割を果たしていくために、センターをさらに発展させていきたいと思います。

センター長 伊藤 たかね イメージ画像

センター長

伊藤 たかね

Director, Center for Coproduction of Inclusion, Diversity and Equity
Takane Ito

東京大学多様性包摂共創センターは、これまで東京大学におけるDEI(Diversity, Equity and Inclusion)の実践を担ってきたバリアフリー支援室と男女共同参画室を実践部門として統合し、研究科・研究所などの学内各所で活躍しているDEI分野の研究者を糾合する研究部門をもつセンターとして、新設されました。両部門に加えてDEI共創推進戦略室を置き、学内で行われている最先端のDEI研究成果を可視化し、学内における実践に反映させると同時に、実践の最前線で得られる知見を活かすことで新たな学知の創発につなげるという、研究と実践の間の好循環を生み出すことを目指します。センターの英語名は、Center for Coproduction of Inclusion, Diversity and Equityとし、覚えやすく呼びやすいようにIncluDEを愛称とします。

「多様性」のあり方は、それ自体が実に多様です。そして私たちは誰もが、マジョリティ性とマイノリティ性をあわせ持つ当事者であり、マジョリティとマイノリティの間にある格差に自覚的であることが求められます。 IncluDEは、「当事者主導」の概念を軸に、すべての当事者がそれぞれの個性にあわせて力を発揮できる場をつくるための基盤を、研究と実践の両面からつくっていきます。また、本学の長年の課題である教員および学生における女性比率の向上も大きな目標の一つです。

すべての構成員が、DEIを、「困っている誰かのためのもの」ではなく「我が身にかかわること」として捉えることが、基盤づくりの要となります。そのため、 IncluDEは、種々の啓発活動や教職員向けの研修を含めた広い意味での教育活動を、重要な事業として位置付けます。まずは学内の意識変容とそれに基づく行動変容を、そして将来的には社会全体の意識や行動の変容を、着実に促す仕組みを考案し、実践活動に結びつけていきます。

むろん、これらの事業はセンター単独で行うことはできません。国内外で先進的な取り組みを行う産・官・学の諸機関に学び、そのいくつかと連携して事業を行うことによって、 IncluDEの活動を高めていきます。また、学内の実践においては、学内共同教育研究施設として、それぞれの部局と連携して全学のDEI推進を強化します。

新設のセンターとして、みなさまのご助力を得て新たな道を拓いていく所存でございますので、ご理解、ご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

History

沿革

ジェンダー・エクイティ推進オフィス
バリアフリー推進オフィス

2003

  • 東京大学男女共同参画宣言発表

2006

  • 男女共同参画室設置
東京大学男女共同参画室

2007

  • 東大病院いちょう保育園(医学部附属病院職員対象)開園
  • 平成19年度文部科学省科学技術振興調整費
    「女性研究者支援モデル育成」事業採択

2008

  • 東大本郷けやき保育園、東大白金ひまわり保育園、
    東大駒場むくのき保育園、東大柏どんぐり保育園(全学対象)開園

2009

  • 東京大学男女共同参画加速のための宣言発表
  • 第1回目「くるみん」認定

2010

  • 平成22年度文部科学省科学技術振興調整費
    「女性研究者養成システム改革加速」事業採択

2011

  • 平成23年度科学技術振興機構「女子中高生の理系進路選択支援」事業採択

2016

  • 第2回目「くるみん」認定

2018

  • 東京都女性活躍推進大賞「優秀賞」受賞
  • 本郷キャンパス内にポピンズナーサリースクール
    東大本郷さくら(企業主導型事業所内保育所)新設

2022

  • 東京大学ダイバーシティ&インクルージョン宣言の制定
  • 令和4年度科学技術人材育成費補助事業
    「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(女性リーダー育成型)」
    事業採択(~令和9年度)
  • 社会デザイン学会「社会デザイン学会奨励賞」受賞
    : 東京大学改革宣言(東京大学総長 藤井輝夫)
IncluDE 多様性包摂共創センター
バリアフリー推進オフィス

2002

  • 「バリアフリーの東京大学のための報告書」提出
  • バリアフリー支援準備室 開室

2003

  • 「東京大学バリアフリープラン2004~バリアフリー支援 準備室からバリアフリー支援室へ~」策定

2004

  • 東京大学バリアフリー支援室 発足(駒場Ⅱキャンパス) 東京大学バリアフリー支援室

2005

  • 「東京大学の障害者雇用に係る行動計画」策定
  • 「バリアフリーの全学的推進に係る基本的な考え方について」 策定

2006

  • バリアフリー支援室本郷支所 開設

2015

  • 「バリアフリー支援室 障害者雇用問題検討部会提言(草案)-本学における障害のある職員の集中雇用に関する課題について-」策定

2016

  • バリアフリー支援室本郷支所柏分室 開設

2018

  • 「情報システムのバリアフリー化に関する基本方針(草案)」策定

2022

  • 東京大学ダイバーシティ&インクルージョン宣言の制定
  • 社会デザイン学会「社会デザイン学会奨励賞」受賞
    : 東京大学改革宣言(東京大学総長 藤井輝夫)
  • 内閣府特命担当大臣表彰奨励賞 受賞
IncluDE 多様性包摂共創センター
IncluDE 多様性包摂共創センター

2024

  • 多様性包摂共創センター
  • ジェンダー・エクィティ推進オフィスへ改組
  • バリアフリー推進オフィスへ改組