イベントレポート:パネルディスカッション「社会課題の解決と女性のキャリア」

2025.10.28

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イベントレポート:パネルディスカッション「社会課題の解決と女性のキャリア」

2025年10月18日東京大学ホームカミングデイの企画の一部として、東大ママ門主催・IncluDE共催でパネルディスカッション「社会課題の解決と女性のキャリア」が開催されました。

登壇者は、IncluDE戦略室准教授の中野円佳に加え、いずれも東大卒で現在は社会課題の解決にかかわる仕事をしている忍岡真理恵さんと玉川絵里さん。モデレータの中野准教授が自身の経緯を話しながら、お二人にはどのようにして今の仕事に行きついたのか、ライフイベントはどのように絡んでいたのか、これまでのキャリアを振り返ってもらいました。

忍岡さんは2006年東京大学法学部卒、2008年東京大学法科大学院を卒業。司法試験合格、経済産業省を経て、米国ペンシルベニア大学ウォートン校へ留学した際、海外で出会った女性たちや子育ての在り方に「私も、もっと自由に生きていいんだ」と感じ、「せっかく一回きりの人生なので、本当に世の中を変える仕事に就きたいと思った」そうです。MBA(経営学修士)修了後、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社などを経ており、輝かしいキャリアの裏では「キャリア迷子になっていた」と告白。

「社会にとって良い影響を与える仕事をしたいということと、自分がすごくワクワクすること、自分が楽しいとか美しいとか思えること、あと日本のものを世界に持っていくことができること」を重視した結果、2023年に求人募集をしていなかったヘラルボニーに自らを売り込んだといいます。COOとして採用され、現在は2024年秋よりパリに設立したHERALBONY EUROPEのCEOを務めています。母子でパリに住み始めて半年が経ったところだそうです。

玉川さんは、2012年東京大学法学部卒。三菱総研で社会課題の解決に取り組み、2児の母としても充実した日々を送っていたものの、児童養護施設での実習を機に、児童福祉分野に強い課題意識をもったといいます。自身でも子どもを1人引き取ろうかと考えましたが「そのn=1をやる道もあるけど、nを百にも千にも万にもできるかもしれない」と、初転職に踏み切ったそうです。2024年1月よりミダス財団に事業統括として従事し、海外の貧困地域における小学校・孤児院の建設や、日本国内における特別養子縁組の支援、子どもの体験格差解消事業などを手がけています。

中野准教授はトヨタ財団の2025年度研究助成プロジェクトで助成対象に選ばれ、不登校の子どもたちが能登の被災地でボランティア活動を経験するというプログラムを開始したばかり。「n=1も大事だけど、自分が役割を果たすことによって、10人とか30人とかに広げて、それを検証して全国に提案することもできるかもしれない」と「社会課題の解決」に関わるやりがいを語りました。

マイクを握る中野さん、微笑む玉川さん

それぞれが子育てをしながらキャリアを模索してきた経緯を話す中で、忍岡さんは家族の病気や離婚などがあった時期を「どん底」と表現。中野准教授も自分にも色々な困難が重なって降りかかる「厄年みたいな時期」があったと語り、「外から見るとすべてうまく行っているように見えて、あの人は特別とか真似できないと思えるけど、こうして苦戦しながらも乗り越えた姿を見せるのも重要では」。現在は3児の母となった玉川さんも含めて、後半は子育てと仕事の両立の苦悩や子どもの教育についても忌憚のない意見交換を行いました。