2025年9月22日、多様性包摂共創センター（IncluDE）キックオフシンポジウム「共に創るDEI」が開催されました。東京大学安田講堂に約230人が来場しました。このシンポジウムは、2024年4月に設立されたIncluDEの開所を記念するもので、設立からこれまでの1年半の活動を振り返るとともに、更なる発展に向けたディスカッションやパフォーマンス、展示が行われました。
第一部では、伊藤たかねセンター長が「これまで、約１年半、試運転とも言える形で走って参りましたが、少しずつ軌道も定まって来たところです。順風満帆であった、とは申し上げられませんが、学内のDEIへの理解、特に執行部の理解は格段に進んできていると実感しており、IncluDEの活動はその意識の変化に支えられております」と挨拶。
その後、ご来賓の文部科学省総合教育政策局長の塩見みづ枝局長、内閣府男女共同参画局の岡田恵子局長、厚生労働省障害保健福祉部の野村知司部長よりご挨拶と応援の言葉をいただきました。DEI実践部門、DEI研究部門の活動紹介の後、パネルディスカッション「今こそ始めよう、東大発DEI」が行われました。
東京大学総長藤井輝夫、ピアニストで令和四年度総長賞受賞者である菅田利佳さん、シンガポールのBBCスタジオから日本人初のBBCキャスターである大井真理子さんが登壇し、総長アドバイザーでLGBTQ活動家の松中権さんのモデレートのもと、活発な議論に。
パネルディスカッションでは1人1人が「私にとってのDEI」をボードに書いて掲げ、藤井輝夫総長は「DEIが空気のように、なくてはならないもので、当たり前のものになるといい」と述べました。
菅田利佳さんが「自分は女性、地方、視覚障害などのカテゴリで注目がされがちだが、それ以外にも音楽が好きとか、猫ちゃんが好きとか、自分の中にも色々な多様性がある」と語った際には、登壇者や視聴者が大きく頷く場面もありました。大井真理子さんは、ＢＢＣが出演者の男女比を50：50にする取り組みを実施してきたことに言及し、松中さんに世界的な反ＤＥＩの流れについて尋ねられると、今更戻る選択肢はないという雰囲気だと言います。
第一部は、手話通訳、文字通訳、英語翻訳をつけ、会場では「手をひらひら」させる拍手も導入。笑顔が溢れ、和やかながら、今後も東京大学が、内外から多様な方に参加してもらいＤＥＩを進める確かな決意を感じるディスカッションとなりました。
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