DEI実践部門 第三部 03 -----p.1   ジェンダー・エクイティ推進オフィス報告書   目次 T.2024年度ジェンダー・エクイティ推進オフィスの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 1.オフィス長挨拶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 2.ジェンダー・エクイティ推進オフィス体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 3.ジェンダー・エクイティ推進オフィスの各部会の概要及び2024 年度の取組・・・・・・・・・・4 4.ジェンダー・エクイティ推進オフィスのその他の取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 U.UTokyo男女+協働改革#WeChangeの2024 年度報告書(簡易版)・・・・・・・・13 1.UTokyo男女+協働改革#WeChangeの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 2.本事業の実施体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 3.男女+協働改革への基盤整備―マジョリティ側の意識改革―に関する取組・・・・・・・・・・・14 4.院生からシニアまでのシームレスな女性研究者キャリアアップに関する取組・・・・・・・・・・19 5.女性教員の加速的増加の実現に関する取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 6. 研究機関・企業の視察と調査、情報収集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 7.情報発信・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 -----p.2   T. 2024年度ジェンダー・エクイティ推進オフィスの概要   1.オフィス長挨拶 ジェンダー・エクイティ推進オフィス オフィス長田野井慶太朗(たのい けいたろう) 〔顔写真あり〕  近年、教職員や学生が育児や家庭とキャリアを両立できる環境づくりの重要性が、これまで以上に高まっています。特に、産休・育休からの円滑な復職や育児との両立は、キャリア初期の研究者にとって大きな課題であり、なかでも女性研究者が直面する困難は深刻です。家事・育児の負担が女性に偏りがちな現状は、女性研究者のキャリア形成に遅れをもたらし、ひいてはアカデミア全体の持続的発展を阻害する要因となっています。この課題は、個人や部局にとどまらず、大学全体として取り組むべき喫緊の課題です。  同時に、女性の活躍の場の裾野を広げるための取組も不可欠です。東京大学の学部における女性学生の割合は、過去20〜30年にわたりおおむね20パーセント前後で推移しており、大きな変化が見られていません。これは、そもそも東京大学を志望する女子中高生の数が限られていることに起因しています。こうした現状を踏まえ、私たちは、女性やその他のマイノリティが学び、働きやすい環境を整備するとともに、東京大学の魅力を中高生に広く伝える取組を強化してまいります。  東京大学は、2022年10月にJST(科学技術振興機構)の科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(女性リーダー育成型)」に採択されました。これを受けて、「UTokyo 男女+協働改革#WeChange」プロジェクトを立ち上げ、以下の3本柱に基づく取組を展開しています。 1. マジョリティ層の意識改革 2. キャリア形成に向けたスキルアップ支援 3. 女性教員の積極的な雇用促進 -----p.3  このプロジェクトの実行主体である本オフィス(ジェンダー・エクイティ推進オフィス)には、東京大学の各部局から教職員が参画し、各部局の多様な実情を汲み取った上で、全学的な支援策を立案・実施しています。多様な視点を集約し、すべての教職員・学生が安心して働き、学び、活動できる環境づくりを目指しています。特に、事務職員を含む職員についても、働きやすく、マイクロアグレッションのない環境を実現し、ワーク・ライフ・バランス(WLB)の改善を推進することは、研究・教育活動を支える基盤の強化につながる重要な課題と認識しています。   2.ジェンダー・エクイティ推進オフィス体制  東京大学では、多様な人材の育成と男女共同参画の推進を目的として、2006年4月に総長直轄の「男女共同参画室」を設置し、以来、女性研究者支援をはじめとする様々な取組を着実に進めてきました。2024年4月には、多様性包摂共創センター(IncluDE)の実践部門の中のオフィスとして改組され、バリアフリー推進オフィスと共に活動しています。ジェンダー・エクイティ推進オフィスは、林香里(はやし かおり)理事・副学長、田野井慶太朗(たのい けいたろう)オフィス長をはじめとするオフィス員、および専任スタッフによって構成されています(2024年度のオフィス員名簿をご参照ください)。さらに、以下の4つの部会を設置し、教職員が連携しながら活動を行っています。 「ワーク・ライフ・バランス(WLB)推進部会」 「次世代育成部会」 「進学促進部会」 「ポジティブ・アクション(PA)推進部会」  年に4回開催される「ジェンダー・エクイティ推進オフィス会議」では、オフィス員のほか、ダイバーシティ推進課および関係部署の職員が一堂に会し、各部会の進捗報告や全学的な課題についての意見交換を行っています。 -----p.4   3.ジェンダー・エクイティ推進オフィスの各部会の概要及び   2024年度の取組  ここでは、ジェンダー・エクイティ推進オフィスの下に設置されている4つの部会の設立の経緯や取組、2024年度の主な取組をご紹介します。   3.1 ワーク・ライフ・バランス推進部会   3.1.1 設立の経緯  ワーク・ライフ・バランス推進部会の前身は、2006 年に男女共同参画室の下に設置された勤務態様部会で、育児等の環境の整備や女性研究者を増やすための支援策の検討を行いました。その後、2016 年にワーク・ライフ・バランス推進部会に改称され、東京大学全体のワーク・ライフ・バランスの意識を啓発するとともに、業務や研究以外の役割も担う構成員に対して理解のある職場環境を創造することを目的として各種事業を展開しています。ワーク・ライフ・バランス推進部会では、3.1.2 の@からDに示している取組を行っています。   3.1.2 ワーク・ライフ・バランス推進部会の取組 @ 次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の策定及び実施(2005年度〜) A ワーク・ライフ・バランス支援ハンドブックの作成及び改訂(2008年度〜) B ワーク・ライフ・バランス支援のための研究者サポート要員配置助成(2016 年度〜2024年度) C 子の出張帯同費用の支給に関する制度及び運用ルールの整備(2023年度〜) D ワークライフバランスを重視する研究者のためのアカデミアキャリア構築スキルコース(2024年度〜)   3.1.3 2024年度の主な取組  @2024年度は、104件の「研究者サポート要員配置助成」(出産・育児・介護等で研究時間の確保が困難な教員への技術補佐員等の雇用経費の支援)を実施しました。  A2023年度に試行的に実施した「研究リーダー育成コース」の実績を踏まえて、2024年度には、「研究リーダー育成コース」を「ワークライフバランスを重視する研究者のためのアカデミアキャリア構築スキルコース」(以下、「スキルコース」と記す)に名称を変更し、学内での参加者募集を行い本格的に実施しました。2023年度の試行に基づいてコース(表1)を設計、学内での参加者募集を行い2024年度は約100名が参加しました。2024年のコース運営で得られた運営上の知見を活かし、システム開発企業に委託する形で、コース参加者が利用するア -----p.5 プリケーション(ポータル機能・執筆時間の記録などを搭載)の開発を実施しました。 表1スキルコース概要(以下、プログラム内容、実施日・期間の順) ライティング・チャレンジ、全4回(6・9・11・2月) 研究費獲得セミナー、全3回(7月(2回)・10月) ネットワーク・マッピング・ワークショップ、全2回(7月・12月) ネットワーキングイベント、全1回(9月)   3.2進学促進部会   3.2.1設立の経緯  進学促進部会は、東京大学の女性学生数を増やすことを目的とし、2006年に男女共同参画室の下に設置されました。2007年度より3.2.2の@からDに示している、主に女子中高生向けのイベントや広報などを企画、実行しています。   3.2.2 進学促進部会の取組 @女子中高生のための東京大学説明会(2007年度〜) A女子中高校生向けPR冊子「Perspectives」作成・配布(2007年度〜) B女子中高生のための進路選択支援イベントの部局開催補助(2009年度〜) ※2019年度以前は理系部局限定、2020年度より文系部局にも対象を拡大 C東京大学女性学生による母校訪問の実施(2010年度〜) Dオープンキャンパス企画 女子中高生のための東京大学説明会mini(2021年〜)   3.2.3 2024年度の主な取組 @女子中高生のための東京大学説明会開催 日時:2024年10月20日(日)13:30-16:00 開催方式:オンライン(Zoom) 参加者数:53名(女子中高生(既卒生を含む)(戸籍上の性別は問わない))5 名(保護者) A女子中高生のための進路選択支援イベントの部局開催補助 2024年度実施数12イベント Bオープンキャンパス企画女子中高生のための東京大学説明会mini開催 日時:2024年8月6日 開催方式:オンライン(Zoom) 参加者数:326名(女子中高生(既卒生を含む)(戸籍上の性別は問わない)) -----p.6 C女子中高校生向けPR冊子「Perspectives」2024年度版発行 D母校訪問 実施期間:2024年8月-2025年3月 訪問校数:24校  2025年度より、母校に限らず、本学説明会の実施を希望する中学校・高校へ在学女性学生を派遣する方式に変更することを決定しました。   3.3次世代育成部会   3.3.1設立の経緯  次世代育成部会は、東京大学在校生のネットワーク作りを目的として、2021年に前男女共同参画室の下に設置されました。多様な学生が安心して集い、学ぶことのできるキャンパス作りの推進のため、3.3.2の@からCに示しているイベントや新入生向け動画の作成の取組を展開しています。また、学内の女性学生の活動を支援するために、授業料等免除の審査基準日に関する要望書の提出など、本学の学生が安心して学ぶことができる環境を目指した取組を実施しています。   3.3.2次世代育成部会の取組 @「UTokyo Women+学生ネットワークを作ろう!」の開催(2022年度〜) A 新入生向けガイダンス資料・動画の展開(2023年度〜) 〔以下3項目、Aについて箇条書き〕 ・新入生(学部生)向けガイダンス資料・動画の展開(2023年度〜) ・新入生(学部生)向けガイダンス資料・動画の展開(英語版)(2023年度〜) ・新入生(大学院生)向けガイダンス資料・動画の展開準備(2024年度〜) その他に下記の取組についても検討しています。 ・女性等多様な学生のエンカレッジ策の推進 ・多様性を尊重する姿勢を醸成するための学生への働きかけ ・多様な学生が安心して集い、学ぶことのできるキャンパスづくりの推進   3.3.3 2024年度の主な取組 @「UTokyo Women+学生ネットワークを作ろう!」の開催 テーマ:大学院生時代のライフイベントをどのように乗り越えたかー経験者に訊いてみよう 日時:2025年2月27日(木)14:30-16:30 場所:東京大学本郷キャンパス情報学環・福武ホール 参加者数:34名 -----p.7 主催:多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィス   3.4 ポジティブ・アクション推進部会   3.4.1設立の経緯  ポジティブ・アクション推進部会は、積極的に本学の女性教員を増やすことを目的とし、2008年に前男女共同参画室の下に設置されました。3.4.2の@からFに示している、ネットワーキングイベント、行動計画策定、女性人事加速策等の取組を行っています。   3.4.2ポジティブ・アクション推進部会の取組 @「UTokyo Women+研究者ネットワークを作ろう!」の開催(2014年度〜) A女性活躍推進法に基づく行動計画の策定及び実施(2015年度〜) B女性教員(教授・准教授)増加のための加速プログラム(2016年度〜) C女性教員フォローアップ・メンターシステムの実施(2016年度〜) D人事マネジメント支援プログラム(2022年度〜) E女性教員(助教・特任助教)増加のための加速プログラム(2024年度〜) F女性教員スタートアップ研究費支援、女性研究者研究スキルアップ支援(2017年度〜2024年度)、リスタートアップ研究費支援(2018年度〜2024年度)   3.4.3 2024年度の主な取組 @「UTokyo Women+研究者ネットワークを作ろう!」の開催 日時:2025年2月7日(金) 10:30-12:00 場所:オンライン(Zoom) 参加者数:約40名(東京大学に属する研究者(教員、研究員、大学院学生)) 言語:日本語・英語 主催:多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィス A 「次世代育成支援対策推進法」及び「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく東京大学一般事業主行動計画の策定(2024年4月1日、実施期間:2024年度〜2027年度) B 女性教員(教授・准教授)増加のための加速プログラム 女性教員上位職(教授・准教授)を雇用(昇任を含む)する際の人件費を支援しています。2024年度も、2022年度、2023年度に続き、支援対象として6 部局を決定しました。 C人事マネジメント支援プログラム 過去5年間に学外から女性教授・准教授を採用した実績を評価して、2024年度は7 -----p.8 部局に対して若手女性研究者雇用支援を行いました。 D女性教員(助教・特任助教)増加のための加速プログラム 2024年度より若手教員の雇用支援を開始し、支援対象として6部局を採択しました。 E「女性教員スタートアップ研究費支援」(2024年度支援件数:26件)、および論文投稿、学会発表などの成果発表にかかる費用等の支援を行う「女性研究者研究スキルアップ支援」(2024年度支援件数:64件)を行いました。   4ジェンダー・エクイティ推進オフィスのその他の取組  ここでは、ジェンダー・エクイティ推進オフィスのその他の取組をご紹介します。     4.1学内4保育園の運営、企業主導型保育園  東京大学では、2008年度より4つの全部局対象保育園(本郷けやき、白金ひまわり、駒場むくのき、柏どんぐり)を運営し、年度途中に復職・復学を希望する研究者や学生のお子さんの受け入れ等本学のニーズにあった保育サービスを提供しています。また、2007年度より医学部附属病院が特定部局対象保育園(病院いちょう)を運営しています。学内保育園環境を更に充実させるため、2018年度に企業主導型事業所内保育所(ポピンズナーサリースクール東大本郷さくら)を本郷キャンパス内に設置しました。  東大管轄保育園の特色は下記になります。 ・一般の保育施設では入園優先度の低い学生のお子さんを積極的に受け入れる ・年度途中の復職に対応できるよう、毎月入園申請可能 ・英語対応可能な保育士等の配置 ・21時まで延長保育対応   4.2ベビーシッター利用育児支援事業の実施  東京大学は、子育て中の教職員を対象にベビーシッターサービス利用時の割引券を発行しています。本事業はこども家庭庁の委託を受け公益社団法人全国保育サービス協会が実施している「ベビーシッター派遣事業」を活用し、教職員(短時間を含む)の子に利用可能な割引券を配布しています。 対象:乳幼児又は小学校3年生までの児童 (健全育成上の世話を必要とする要件に該当する場合は、小学校6年生まで) -----p.9   4.3女子学生向けの住まい支援  東京大学は、教養学部前期課程に入学する、自宅からの通学が困難な女性学生のために2017年度より「女子学生向けの住まい支援」を開始しました。本学が提携する民間等の居室および本学目白台インターナショナル・ビレッジにおいて住まいに関する支援を行っています。   4.4女性教員幹部養成コース  東京大学では、2022年度に始動した女性リーダー育成施策「UTokyo 男女+協働改革#WeChange」の一環として、女性研究者のキャリアアップを支援する「女性教員幹部養成コース」を実施しています。本コースは、幹部候補の女性教員を対象に、学内外のネットワーク構築やリーダーシップ研修を通じてキャリア形成を後押しするものです。2024年12月には、「#WeChange女性教員幹部養成プログラムネットワーキングイベント」を開催し、学内各部局から49名の女性教員が参加しました。 日時:2024年12月9日(木)16:00‐20:30 場所:東京大学本郷キャンパス情報学環・福武ホール 参加者数:49名(本学女性教員) 主催:多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィス https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/769/ ジェンダー・エクイティ推進オフィス名簿2024年5月1日 (以下、役職名、氏名、部局名、職名、担当部会等の順) 理事・副学長、林香里(はやし かおり)、、− 副学長・センター長、伊藤たかね(いとう たかね)、多様性包摂共創センター、特任教授、− 副学長、吉江尚子(よしえ なおこ)、生産科学技術研究所、教授、WLB推進部会長 副理事、松井正一(まつい しょういち)、本部、、− オフィス長、田野井慶太朗(たのい けいたろう)、農学生命科学研究科・農学部、教授、− 副オフィス長、浅井幸子(あさい さちこ)、教育学研究科・教育学部、教授、次世代育成部会長 副オフィス長、小川真理子(おがわ まりこ)、多様性包摂共創センター、特任准教授、WLB推進 -----p.10 (ジェンダー・エクイティ推進オフィス名簿2024年5月1日の続き(以下、氏名、部局名、職名、担当部会等の順)) 小島慎司(こじま しんじ)、法学政治学研究科・法学部、教授、WLB 推進 前田健太郎(まえだ けんたろう)、大学院公共政策学連携研究部、教授、進学促進 細谷紀子(ほそや のりこ)、医学系研究科・医学部、准教授、WLB 推進 小林英津子(こばやし えつこ)、工学系研究科・工学部、教授、進学促進 佐藤至子(さとう ゆきこ)、人文社会系研究科・文学部、教授、PA推進 佐藤薫(さとう かおる)、理学系研究科・理学部、教授、PA推進 榎本有希子(えのもと ゆきこ)、農学生命科学研究科・農学部、准教授、進学促進 山口慎太郎(やまぐち しんたろう)、経済学研究科・経済学部、教授、次世代育成 寺田寅彦(てらだ とらひこ)、大学院総合文化研究科・教養学部、教授、次世代育成 植阪友理(うえさか ゆり)、教育学研究科・高大接続研究開発センター、准教授、進学促進 瀬戸口留可(せとぐち るか)、薬学研究科・薬学部、准教授、WLB 推進 真鍋祐子(まなべ ゆうこ)、東洋文化研究所、教授、PA推進 ティクシエアニエス三田(てぃくしえ あにえす みた)、生産科学技術研究所、准教授。進学促進 川崎雅裕(かわさき まさひろ)、宇宙線研究所、教授、WLB推進 松田巌(まつだ いわお)、物性研究所、教授、PA推進 熊田亜紀子(くまだ あきこ)、工学研究科・工学部、教授、PA推進部会長 石坂香子(いしざか きょうこ)、工学研究科・工学部、教授、次世代育成 -----p.11 (ジェンダー・エクイティ推進オフィス名簿2024年5月1日の続き(以下、氏名、部局名、職名、担当部会等の順)) 遠藤利彦(えんどう としひこ)、大学院教育学研究科、教授、保育園担当 後藤由季子(ごとう ゆきこ)、薬学研究科・薬学部、教授、進学促進部会長 近藤絢子(こんどう あやこ)、社会科学研究所、教授、WLB推進 松山桃世(まつやま ももよ)、生産科学技術研究所、准教授、次世代育成部会 八島崇(やしま たかし)、教育・学生支援部、部長、進学促進次世代育成 片山達也(かたやま たつや)、経営企画部、部長、− 小野寺昌勝(おのでら まさかつ)、人事部、部長、WLB推進、次世代育成、PA推進 齋藤幸司(さいとう こうじ)、施設部、部長、− 高橋知裕(たかはし ともひろ)、教育・学生支援部、入試課長、進学促進 榎本弘子(えのもと ひろこ)、教育・学生支援部、学生相談支援課長、進学促進、次世代育成 南雅登(みなみ まさと)、経営企画部、経営戦略課長、− 増田健司(ますだ けんじ)、経営企画部、ダイバーシティ推進課長、WLB推進、進学促進、PA推進、次世代育成 小林正樹(こばやし まさき)、人事部、労務・勤務環境課長、WLB推進 泉田勝(いずみだ まさる)、教養学部等、教務課長、進学促進 中野円佳(なかの まどか)、多様性包摂共創センター、特任助教、− 安東明珠花(あんどう あすか)、多様性包摂共創センター、特任研究員、次世代育成 久保京子(くぼ きょうこ)、多様性包摂共創センター、特任研究員、進学促進 〔総長補佐(ジェンダー・エクイティ推進オフィス担当)〕 -----p.12 (ジェンダー・エクイティ推進オフィス名簿2024年5月1日の続き(以下、氏名、部局名、職名、担当部会等の順)) 李正連(い じょんゆん)、大学院教育学研究科、教授、− 藤本博志(ふじもと ひろし)、大学院新領域創成科学研究科、教授、− 山崎俊彦(やまざき としひこ)、大学院情報理工系研究科、教授、− 伊藤恵理(いとう えり)、先端科学技術研究センター、教授、− -----p.13   U. UTokyo 男女+協働改革#WeChangeの2024年度報告書(簡易版)  東京大学は、文部科学省補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(女性リーダー育成型)」の新規取組機関に採択されたことを受けて、女性リーダー育成に向けた施策「UTokyo男女+協働改革#WeChange」を2022年11月に始動しました。2022年度及び 2023年度は、東京大学総長の下に設置された男女共同参画室を運営の主体として各事業を実施しました。2024年度からは、同室が新設の多様性包摂共創センター内のジェンダー・エクイティ推進オフィスとして改組され、運営主体となって、ジェンダー平等に向けての取組を引き続き実施しています。本報告書では、2024年度の取組について記します。   1. UTokyo男女+協働改革 #WeChangeの概要  女性リーダー育成に向けた事業「UTokyo 男女+協働改革#WeChange」においては、3つの目標とそれらを達成するための3つの行動計画を設定しています(図1-1)。行動計画は相互に連関し、循環的に作用するように設計しています。 図1-1UTokyo 男女+協働改革 #WeChange事業の全体像 https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/outline/ ((右に螺旋階段のような絵があり、その絵を囲う円がある。円の中には文字が記載されており、その内容は右斜め上から時計回りに、上位職登用加速、女性若手研究者活躍、女性採用加速、院生増加、意識改革、執行部比率拡大。螺旋階段のような絵の左側に、下からTargetT、TargetU、TargetVの3つが記載されている。説明文はそれぞれ、TargetT「男女+協働改革への基礎整備―マジョリティ側の意識改革―」、TargetU「院生からシニアまでのシームレスな女性研究者キャリアアップ」、TargetV「女性教員の加速的増加」))   2.本事業の実施体制  本事業3年目の2024年度の実施体制は、ジェンダー・エクイティ推進オフィスを運営の主体とし、事業項目ごとに2024年度事業の担当責任者をそれぞれ配置しました。女性教員の加速的増加事業の責任者であるダイバーシティ研究環境実現担当の副学長が、全体のとりま -----p.14 とめも担う体制としています。また本施策を中心となって担うジェンダー・エクイティ推進オフィスおよび担当事務組織の体制を強化し、オフィス長、専任教員を引き続き配置しました(表2-1)。 表2-1 2024年度の実施体制 (以下、事業項目、担当責任者) 統括責任者、藤井輝夫(ふじい てるお)(総長) 機関全体の実施責任者、林香里(はやし かおり)(理事・副学長) 実施体制及び支援体制の構築、松井正一(まつい しょういち)(副理事) ダイバーシティ研究環境推進に関する各種調査とデータの可視化、小川真理子(おがわ まりこ)(多様性包摂協創センタージェンダー・エクイティ推進オフィス副オフィス長) ダイバーシティ研究環境推進のための広報活動、中野円佳(なかの まどか)(多様性包摂協創センターDEI 共創推進戦略室准教授) 男女+協働改革への基盤整備―マジョリティ側の意識改革、伊藤たかね(いとう たかね)(多様性包摂協創センター長・副学長) 院生からシニア研究者までのシームレスな女性研究者キャリアアップ、田野井慶太朗(たのい けいたろう)(多様性包摂協創センタージェンダー・エクイティ推進オフィスオフィス長) 女性教員の加速的増加、吉江尚子(よしえ なおこ)(副学長) (表2-1終わり)  本事業の目的達成に向けて専門的かつ中立的な立場から助言を頂くため、2022年度に学外の有識者4名からなる男女+協働改革アドバイザリーボードを設置し、助言をいただいています。   3.男女+協働改革への基盤整備―マジョリティ側の意識改革―に関する取組  この節では、本事業の取組のうち、主に目標T・行動計画Tに該当する2024年度の実績を記しています。   3.1 教職員対象のジェンダー・ジャスティス研修   3.1.1 ジェンダー・エクイティ研修  2022年度に、男女共同参画室のもとにジェンダー・ジャスティス研修ワーキンググループ(WG)を設置し、ジェンダー不平等の解消と是正実現のための基盤整備として、教職員を対象とする研修を実施する準備を進め、2023年度より全教職員対象の「ジェンダー・エクイティ研修」をe-learning形式で開始しました。  2024年度は、IncluDE内に教育・研修プロジェクトを設置し、ワーク・ライフ・バランスをテ -----p.15 ーマとする教材(「多様なケア労働への理解ある職場を目指して」、日本語版および英語版)を作成し、全教職員対象の研修を行いました。また、通常の教材では理解が難しい方に向けて、研修の内容を分かりやすく説明した「多様なケア労働への理解ある職場を目指して」やさしい版(日本語版のみ)を作成しました。あらかじめ定めた受講期間(2024年9月11日-10月31日)の受講者は13,554名で受講率は77パーセントでした。 「多様なケア労働への理解ある職場を目指して」 日本語版:https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/lecture_6259/ 英語版:https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/lecture_6259/?interface_language=en やさしい版:https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/lecture_6261/   3.1.2役員研修  学内の経営層を含む上層部のD&Iに関する基本的理解の増進や継続的な意識付けをおこなうこと、また、東京大学UTokyo Compassの重要な柱としてのD&Iについて理解を深め、意識を高めることを目的として、役員・部局長および事務管理職を対象とするセミナーを2023 年度より年1回実施しています。昨年度に続いて2024年度もD&I推進に関する役員研修を企画し、表3-1のとおり実施しました。 表3-1役員研修 (以下、対象者、研修内容、実施日、参加者数) 役員・部局長、「D&I への理解の深化・定着促進セミナー」、第一部2024年9月10日第二部2025年 3月4日、61名 本部部長および各部局の事務(部)長、「D&I への理解の深化・定着促進セミナー」、2024年9月27日、52名   3.1.3学内ファカルティ・ディベロップメント(FD)  ジェンダー・エクイティ推進オフィス(男女共同参画室)では、これまでも学内のファカルティ・ディベロップメント(FD)を実施してきました。2024年度は、部局との調整の関係によりFDの実施はありませんでしたが、「恋愛と暴力のさかいめ〜学生への対応を学ぶ〜」のFD用教材を日英併記で作成し、2025年度からの実施に向けて体制整備や準備を行いました。 -----p.16   3.2学生対象のジェンダー・ジャスティス啓発   3.2.1新入生向け啓発動画  本学構成員の意識改革の一環として、アンコンシャス・バイアスやマイクロアグレッションへの注意喚起等を主な内容とした新入生向けの動画の作製を進めています。新入生は、新入生学部ガイダンスにおいて、この動画を視聴しています。2024年度は、大学院学生へも新入生向けガイダンス動画を展開しました。学内限定で各動画を東大TVにて公開しています。 新入生(学部生)向けガイダンス資料・動画の展開(2023年度〜) 新入生(学部生)向けガイダンス資料・動画の展開(英語版)(2023年度〜) 新入生(大学院生)向けガイダンス資料・動画の展開準備(2024年度〜) https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/lecture_6053/   3.2.2 学術フロンティア講義「ジェンダーを考える」開講  2022年度に学部1-2年生(前期課程)向けに開講したジェンダー関連の授業(学術フロンティア講義)を継続して開講しました。加えて、ジェンダー・エクイティに関する機運を高めるため、2022年度及び 2023年度の内容を書籍することとし、2025年度の出版に向けて編集作業を行いました。 https://www.u-tokyo.ac.jp/kyodo-sankaku/ja/about/s0902_00061.html   3.2.3 オンライン集中講義「ジェンダード・イノベーション入門」開講(お茶の水女子大学・東京大学・東北大学連携)  お茶の水女子大学および東北大学との連携により、ジェンダード・イノベーションに関する学生向けオンライン集中講義を昨年度に続いて、2025年2月の4日間で実施しました。2024年度から教養学部1・2年生向けの正規の授業(学術フロンティア講義)となり、学生は2単位を取得できる形になりました。 https://www.u-tokyo.ac.jp/kyodo-sankaku/ja/news/2024_14_00003.html   3.3「#言葉の逆風」キャンペーン  本学におけるマジョリティ側の意識改革及び本事業の取組への理解を得る目的で、女性活躍支援、D&Iに関する啓発キャンペーン「#言葉の逆風」を実施しました。3.3.1の学内へのポスター掲出やリーフレット配布(表3-3)、および3.3.2〜4のイベントを開催しました。   3.3.1「#言葉の逆風」キャンペーン 表3−3#言葉の逆風ポスター掲出及びリーフレット配布について https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/512/ (以下、期間、実施内容の順) 2024年5月1日、「問い」のポスター提示: -----p.17 (表3−3#言葉の逆風ポスター掲出及びリーフレット配布についての続き(以下、期間、実施内容の順)) 5月20日、「なぜ東京大学には女性が少ないのか?」という問いを掲載したポスターを学 内掲出、日本語:https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/591/、英語:https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/en/news/356/ 2024年5月20日-6月30日、「答え」のポスターの提示:学生・研究者へのアンケートで寄せられた女性の意欲を削ぐ言葉を可視化したポスターを学内掲出、日本語:https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/512/、英語:https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/en/news/304/ 2024年5月20日、キャンペーン説明リーフレット:本キャンペーンおよび本補助事業について説明したリーフレットを学内で配布   3.3.2 ブックトークイベント「#言葉の逆風とどう向き合う『なぜ東大は男だらけなのか』著者、矢口(やぐち)副学長と考える」 日時:2024年6月26日(木)13:15-14:30 場所:東京大学本郷キャンパス 参加者数: 40名(学内構成員) 主催:多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィス https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/714/   3.3.3 イベント「#言葉の逆風を考える―脚本家・小説家吉田恵里香(よしだ えりか)氏×東京大学理事・副学長林香里(はやし かおり)対談」 日時:2024年12月4日(木)13:30-15:00 場所:東京大学本郷キャンパス情報学環・福武ホール 参加者数: 110名(学内構成員、一般) 主催:多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィス https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/768/   3.3.4 イベント「東京大学のジェンダーバランス不均衡を考える」 日時:2024年7月25日(木) 場所:東京大学本郷キャンパス(事後配信あり) 参加者数:60名 共催:東京カレッジ、多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィス 言語:英語 -----p.18   3.4学内外向け啓発  学内外向け啓発では、3.4.1の女性研究者のライフイベントに関する国際イベント、3.4.2では国際女性デーに連動して、ライフイベント関する学内学部学生・大学院学生向けイベントを開催しました。3.4.3、3.4.4では、本学のジェンダー・エクイティ推進の取組を発信しました。   3.4.1 CNRS(National Centre for Scientific Research)−UTokyoイベント:Women in Science開催 日時:2024年10月25日(金)日本時間16:30-18:30(フランス時間9:30-11:30) 開催方法:オンライン 参加者:140名CNRSと東京大学の構成員(教職員、研究者、学生) 共催:CNRS Gender Equality Unit及び東京大学多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィス 言語:英語 https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/733/   3.4.2国際女性デーイベント「大学院生時代のライフイベントをどう乗り越えたか―経験者に訊いてみよう」 日時:2025年2月27日(木)14:30-16:30 場所:東京大学本郷キャンパス情報学環・福武ホール 参加者数:34名 主催:多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィス https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/811/   3.4.3 Nature誌「Male-dominated campuses belong to the past’: the University of Tokyo tackles the gender gap」掲載(2023年2月, 638号)  2025年2月11日に、林香里(はやし かおり)理事・副学長の寄稿「‘Male-dominated campuses belong to the past’: the University of Tokyo tackles the gender gap」がNature(vol.638)のWorld Viewに掲載されました。2024年5月から7月にジェンダー・エクイティ推進オフィスが実施した「#言葉の逆風」プロジェクト等の取組に関する論考になります。 https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/796/   3.4.4「東京大学におけるジェンダー・エクイティ研修「誰にでもある思い込みと向き合う」の実践と効果検証の報告」『ポリモルフィア〜Polymorfia』掲載  2023年度に実施した全教職員対象のジェンダー・エクイティ研修(テーマ「誰にでもある思 -----p.19 い込みと向き合う」)の実践と効果検証の報告が九州大学男女共同参画推進室発行『ポリモルフィア〜Polymorfia vol.10』に掲載されました。 https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/843/   3.5データの可視化   3.5.1 男女別研究者活躍データの可視化  科研費の採択件数等、女性研究者活躍のデータについて経営企画部IRデータ課等と連携して男女別研究者活躍データの分析を行いました。なお、個人の特定及び要配慮個人情報の取扱いを考慮するうえで公開方法について慎重な検討を行い、本学HPでの2025年度の公開に向けて、データ収集方法の整理や公開フォーマットの作成等の準備を進めました。   3.5.2 ジェンダー関連講義の可視化  2024年度初めに、2023年度に各学部で開講されたジェンダー関連授業の情報を集約し、集約した情報を一覧にして可視化しました。また、2024年度に各学部で開講された(または2025年度に開講される予定の)ジェンダー関連授業の情報を2024年度末に集約し、集約した情報を一覧にして可視化しました。 https://www.u-tokyo.ac.jp/kyodo-sankaku/ja/about/publicity/index_00002.html   3.6ワーク・ライフ・バランス推進サポート   3.6.1 研究者サポート要員配置助成  出産、育児、介護等により研究時間の確保が困難な者に対するワーク・ライフ・バランス支援として、2024年度は、104件の「研究者サポート要員配置助成」(技術補佐員等の雇用経費の支援)を実施しました。   4.院生からシニアまでのシームレスな女性研究者キャリアアップに関する取組  この節では、本事業の取組のうち、主に目標U・行動計画Uに該当する2024年度の実績を記しています。   4.1博士号取得者の女性割合  本事業では博士学位取得者の女性比率について、事業終了(2027年度末)までに30パーセントとすることを掲げています。2024年度のこの比率は26.9パーセントでした。   4.2女性研究者スキルアップ支援  女性研究者のスキルアップ支援のため、本学着任直後の若手女性研究者(准教授以下)を対象とした「女性教員スタートアップ研究費支援」(2024年度支援件数:26件)、および本学に -----p.20 所属する常勤の女性研究者((准教授以下(特任含む))を対象とした論文投稿、学会発表などの成果発表にかかる費用等の支援を行う「女性研究者研究スキルアップ支援」(2024年度支援件数:64件)を行いました。   4.3女性研究者キャリアアップ支援プログラム  2023年度に試行的に実施した「研究リーダー育成コース」及び「女性教員幹部養成プログラム」の実績を踏まえて、2024年度に、4.3.1から4.3.3に示す取組を本格的に実施しました。   4.3.1 ワークライフバランスを重視する研究者のためのアカデミアキャリア構築スキルコース  「研究リーダー育成コース」は、2024年度から「ワークライフバランスを重視する研究者のためのアカデミアキャリア構築スキルコース(以下、「スキルコース」と記す)に名称を変更しました。2023年度の試行に基づいて、コース(表4-1)を設計、学内での参加者募集を行い、2024年度は約100名が参加しました。2024年のコース運営で得られた運営上の知見を活かし、システム開発企業に委託する形で、コース参加者が利用するアプリケーション(ポータル機能・執筆時間の記録などを搭載)の開発を実施しました。 表4-1スキルコース概要 (以下、プログラム内容、実施日・期間の順) ライティング・チャレンジ、全4回(6・9・11・2月) 研究費獲得セミナー、全3回(7月(2回)・10月) ネットワーク・マッピング・ワークショップ、全2回(7月・12月) ネットワーキングイベント、全1回(9月)   4.3.2 女性教員幹部養成コース  昨年度に続いて、今年度も幹部候補の女性教員を対象としたネットワーキングイベント「#WeChange女性教員幹部養成プログラムネットワーキングイベント」を開催しました。 日時:2024年12月9日(木)16:00‐20:30 場所:東京大学本郷キャンパス情報学環・福武ホール 参加者数:49名(本学女性教員) 主催:多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィス https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/769/ -----p.21   4.3.3 女性研究者のエンパワーメント啓発「UTokyo Women+研究者ネットワークを 作ろう!」  ジェンダー・エクイティ推進オフィスでは、女性研究者のキャリア形成及びネットワーク形成支援を主な目的として、2014 年度より開催している『UTokyo Women+研究者ネットワークを作ろう!』を2024 年度も開催しました。本ネットワークイベントでは、性別や年齢にかかわらず多くの研究者(大学院学生を含む)の参加を歓迎し、大きな学内研究者ネットワークの実現を目指して展開しています。 日時:2025年2月7日(金) 10:30-12:00 場所:オンライン(Zoom) 参加者数:約40 名(東京大学に属する研究者(教員、研究員、大学院学生)) 言語:日本語・英語 主催:多様性包摂共創センター ジェンダー・エクイティ推進オフィス   5.女性教員の加速的増加の実現に関する取組  本学の女性教員比率の現状等を確認したうえで、主に目標V・行動計画Vに該当する女性教員増加に向けた各種施策、「部局女性人事加速5カ年計画」と意見交換会について記します。   5.1 現状と目標  本事業では、@事業期間中の女性教授・准教授の増加率を過去10年の2倍(それぞれ年0.88パーセント、年0.82パーセント)とすること、また、A本事業終了時までに、女性教員比率を25パーセントとすることを目標に掲げています。2024年度は、昨年度に続き、女性の上位職登用に直接関 わる行動計画IIIのみならず、先述した通り行動計画I、II を含む本事業の取組全体を推進した成果として、女性教員増加の必要性に対する認識は学内に着実に浸透しました。また、5.2 で述べるような各種支援施策も推進、更新し、その結果として、女性教員の採用が加速しています。    @について、女性教授・准教授の増加率は2022年-2025年の平均で、それぞれ0.98パーセントと0.80パーセントとなり、教授については目標(年0.88パーセント)を超え、過去の平均値(0.44パーセント)と比較しても、2.2 倍になり大幅に増加が加速しています。准教授は、目標(年0.82パーセント)に若干達していないものの、昨年度まで順調に加速してきているため、今後も計画を継続することで目標を達成してまいります(図5-1、図5-2)。  Aについて、女性教員の増加率(特任含む)の増加率は、2022年-2025年の平均年0.80パーセントとなり、過去10 年と比して約1.6 倍となり、女性の採用は加速傾向にあります(図5-3)。 本事業では、最終年度までに 女性教員比率25パーセント以上を目指すという高い目標を掲げてい -----p.22 ます。2022年5月からの3年間で、特任を含む女性教員比率(助手以上)は、16.7パーセントから19.2パーセントに増加しました(表5-1)。目標を達成するために、上位職における女性の積極的な採用を行うと共に、助教をはじめとする若手教員の女性採用についても加速を推進する5.2.2.、5. 2. 3の施策を講じました。 図5-1 東京大学における承継教授の女性比率のグラフ((2012-2028年の推移(途中から目標値)を表すグラフ。2012-2021の増加率に比べて2022-2025の増加率の方が目視で大きい。増加率の目標値は年0.88パーセントだが、2025年時点で人数で6.6人先行している)) 図5-2 東京大学における承継准教授の女性比率のグラフ((2012-2028年の推移(途中から目標値)を表すグラフ。2012-2021の増加率に比べて2022-2025の増加率の方が目視で大きい。2025年時点で人数で1.4人遅れている)) -----p.23 図5-3 東京大学における教員(特任含む)の女性比率のグラフ ※2025 年度までの実績(濃青と淡青のプロット)は各年5 月1日のデータに基づく。 一方、目標(赤のプロット)は、2022年3月31日時点での実績に基づき、直線的に女性比率が増加して、2028 年3月31日に25パーセントを達成するための過程を記載。 ((2012-2028年の推移(途中から目標値)を表すグラフ。2012-2021の増加率は年0.488パーセント、2022-2025の増加率は年0,832パーセント。増加率の目標値は年1.403パーセント)) 表5-1 東京大学の女性比率と本事業における目標値 ※1 教員の定義:教授、准教授、講師、助教・助手、卓越教授、特任教授、特任准教授、特任講師、特任助教 ※2 特任教員を含まない (以下、2022.5.1、2023.5.1、2024.5.1、2025.5.1、2027.3.31(目標)の順) 教員における女性比率※1、16.7パーセント、17.6パーセント、18.3パーセント、19.2パーセント、25.0パーセント 教授における女性比率※2、9.2パーセント、10.1パーセント、10.5パーセント、12.3パーセント、14.5パーセント 准教授における女性比率※2、15.5パーセント、16.4パーセント、17.5パーセント、17.8パーセント、20.4パーセント   5.2 女性人事を加速する各支援策  各部局において女性研究者採用加速を一段と推し進める呼び水とするため5.2.1 から5.2.3 の各支援策を実施しました。   5.2.1 女性教員(教授・准教授)増加のための加速プログラム  女性教員上位職(教授・准教授)を雇用(昇任を含む)する際の人件費を支援しています。2024年度も、2022年度、2023年度に続き、支援対象として6部局を決定しました。 -----p.24   5.2.2 人事マネジメント支援プログラム  過去5年間に学外から女性教授・准教授を採用した実績を評価して、2024 年度は7部 局に対して若手女性研究者雇用支援を行いました。   5.2.3 女性教員(助教・特任助教)増加のための加速プログラム  2024 年度より女性教員(助教・特任助教)を雇用する人件費を支援しています。2024 年度は支援対象として6部局を採択しました。   5.2.4 「部局女性人事加速5カ年計画」と意見交換会  第4期中期目標・中期計画における女性教員比率25パーセントを実現するために、2022 年に「5カ年計画」を開始しました。東京大学を構成する43部局がそれぞれ女性研究者の比率向上にむけて意欲的な目標を設定し、5カ年の計画を立て取り組んでいます。なお、2024年度より新設部局の4部局においては3ヵ年計画を立てて取り組んでいます。さらに、各部局の執行部メンバー(主に副部局長)と、担当の理事をはじめとするジェンダー・エクイティ推進オフィス主要メンバーで構成される意見交換会を設けて、東京大学が全学をあげて目標の実現に向けて計画を推進する体制を整えています。この意見交換会は定期的に開催され、部局を超えた議論が活発に行われています。2024年度は、意見交換会を6 回開催し、本部の人事支援策および部局における好事例などの共有、5カ年計画を実行する上での疑問や困難などについて活発な議論を行いました。 2024 年度「部局女性人事加速5カ年計画」意見交換会の実施 第1回2024年6月10日、6月17日 第2回2024年9月30日、10月4日 第3回2025年1月21日、1月24日   6.研究機関の視察と調査、情報収集  本事業の目標の達成と世界標準のダイバーシティ環境づくりを実践するために、国内外で先進的な取組を行っている研究教育機関を視察し、情報交換を行うとともに、研修等に参加し情報を収集しました(表6-1)。 表6-1 研究機関の視察先 (以下、日程、訪問先、訪問者の順) 2025年1月27日、東北大学DEI推進センター、小川真理子(おがわ まりこ)(ジェンダー・エクイティ推進オフィス副オフィス長)、久保京子(くぼ きょうこ)(ジェンダー・エクイティ推進オフィス特任研究員)、中野円佳(なかの まどか)(DEI共創戦略室准教授).. 2025年2 月18日、九州大学男女共同参画推進室、小川真理子(おがわ まりこ)、安東明珠花(あんどう あすか)(ジェンダー・エクイティ推進オフィス特任研究員)、久保京子(くぼ きょうこ)、中野円佳(なかの まどか)(校正者注:この行の途中で改ページあり) -----p.25 2025年2月20日、長崎大学ダイバーシティ推進センター、小川真理子(おがわ まりこ)、安東明珠花(あんどう あすか)、久保京子(くぼ きょうこ)   7.情報発信  2024年度も、本事業を推進するために、ホームページの拡充、ニュースレターの継続発行など広報活動に注力しました。本事業に関連する学内広報、講演等により学内外の研究機関、政府、自治体等に広く本事業および本学の取組を周知しました。   7.1 ジェンダー・エクイティ推進オフィスホームページと関連文書のバイリンガル化と拡充  本事業の目的達成に向けて、海外からの優秀な女性研究者、女性学生の獲得にも力を入れるため、2024年度も本事業で取り組む各施策に関する文書、ホームページ等の掲載文章においては原則バイリンガル表記として英訳を行いました。また2024年度は、これまでの男女共同参画室ホームページを多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィスのホームページとしてリニューアルしました。それに伴い本事業専用のホームページ「#WeChange UTokyo」ならびに、本事業用ホームページのStructure(体制図)も更新しました。なお、2024年度の#WeChangeサイトには、のべ約3.6万件(前年2.9万件)(日本語版)がアクセスがありました。トップページに続いてアクセスが多かったのは、2024年度に実施した「#言葉の逆風」キャンペーンでした。 ジェンダー・エクイティ推進オフィスホームページ 日本語https://www.u-tokyo.ac.jp/kyodo-sankaku/ja/index.html 英語https://www.u-tokyo.ac.jp/kyodo-sankaku/en/index.html #WeChange UTokyoホームページ 日本語https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/ 英語https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/en   7.2 東京大学多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィスニュースレター「#WeChange」  ニュースレター「#WeChange」を定期的に発行し、活動報告や取組を盛り込んでいます。2024年度も、ニュースレターを10月および3月に発行しました。学内外イベント、他大学への訪問、来訪者対応の際に、ニュースレター、#WeChange年次報告書を配付しています。ニュースレター及び#WeChange年次報告書は、本事業のホームページにも掲載し本学の取組を広く周知しています。 東京大学多様性包摂共創センタージェンダー・エクイティ推進オフィスニュースレター 「#WeChange」https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/contents -----p.26   7.3学内広報  東京大学の学内広報誌を通して積極的に本事業の広報を行いました(表7-3)。 表7-1 学内広報 (以下、発行年月日、媒体名、題名の順) 2024.1.25、東京大学「学内広報」、#WeChangeNowジェンダー・エクイティ推進オフィス通信第5回「大学運営の魅力とは〜女性教員向けイベントを開催」 2024.3.25、東京大学「学内広報」、#WeChangeNowジェンダー・エクイティ推進オフィス通信第6回「30%(パーセント) Club の9大学が声明を発表」 2024.5.27、東京大学「学内広報」、#WeChangeNowジェンダー・エクイティ推進オフィス通信第7回「「#言葉の逆風」プロジェクトが始動」 2024.7.25、東京大学「学内広報」、#WeChangeNowジェンダー・エクイティ推進オフィス通信第8回「「#言葉の逆風」をめぐる対談・議論進む」 2024.9.24、東京大学「学内広報」、#WeChangeNowジェンダー・エクイティ推進オフィス通信 第9回「ワークライフバランスに着目した研究者支援」 2024.11.25、東京大学「学内広報」、#WeChangeNowジェンダー・エクイティ推進オフィス通信第10回「日仏女性研究者のネ ッ ト ワ ー ク 形 成 イ ベ ン ト 「Women in Science」開催 2025.1.27、東京大学「学内広報」、#WeChangeNowジェンダー・エクイティ推進オフィス通信 第11回「女性幹部養成プログラムのネットワーキングイベントを開催」 2025.3.25、東京大学「学内広報」、#WeChangeNowジェンダー・エクイティ推進オフィス通信 第12 回「大学院生と妊娠・出産・育児を語る」   7.4 講演  2024 年度に開催された学内外講演等について本事業について紹介しました(表7-2、表7-3)。学内部局主催シンポジウム等においても本事業に関連する報告を行いました(表7-4、表7-5)。 -----p.27   7.4.1 国際会議・シンポジウム 表7-2 国際会議・シンポジウム (以下、講演年月日、講演者、題名の順) 2024.5.15、 林香里(はやし かおり)、Women Scientists in Japan・・・and How We Overcome the Obstacles, ゲーテ・インスティテュート 2024.6.11、林 香里(はやし かおり)、Diversity and Inclusion at UTokyo・・・and Why It Matters,駐日オーストラリア大使館 2024.9.25、小川真理子(おがわ まりこ)、Toward gender equity : Initiatives and challenges of #WeChange UTokyo, International Alliance of Research Universities (IARU) Gender Group Meeting 2024.10.26、林香里(はやし かおり)、Advancing Gender Equity and Diversity in Education: UTokyo's Vision for a Global Future,国立台湾大学   7.4.2 国内招待講演等 表7-3 国内招待講演等 (以下、講演年月日、講演者、題名) 2024.6.5、林香里(はやし かおり)、「東京大学のダイバーシティ&インクルージョン推進」東京丸の内ロータリークラブ 2024.9.3、林香里(はやし かおり)、「東京大学のD&I 推進」日本弁護士連合会(ハイブリッド開催) 2024.9.27、 林香里(はやし かおり)、「東京大学のダイバーシティ&インクルージョン推進〜男性中心の大学からの脱却を目指して〜〜東北大学情報科学研究科DEIに関する教育FD」東北大学情報科学研究科(ハイブリッド開催) 2024.10.10、林香里(はやし かおり)、「ナショナルセンターへの期待〜大学・研究機関から〜」日本学術会議科学者委員会ジェンダー・エクイティ分科会(Web 開催) 2025.1.23、林香里(はやし かおり)、「東京大学のD&I 推進インクルーシブなキャンパスへ 障害のある教職員・学生とともに」国立大学法人筑波技術大学(ハイブリッド開催) -----p.28   7.4.3 東京大学IncluDE 及びジェンダー・エクイティ推進オフィス主催シンポジウム報告等 表7-4 東京大学IncluDE 及びジェンダー・エクイティ推進オフィス主催シンポジウム報告等 (以下、年月日、講演者、題名の順) 2024.6.25.、中野円佳(なかの まどか)他学内関係者3名、「#言葉の逆風 どう向き合うー『なぜ東大は男だらけなのか』著者、矢口(やぐち)副学長と考える」ジェンダー・エクイティ推進オフィス主催ブックトークイベントジェンダー・エクイティ推進オフィス主催 2024.9.30、吉江尚子(よしえ なおこ)他学内関係者3名、「ライフサイエンス研究のダイバーシティー多面的な研究、多様なキャリアパス、多彩な研究者ー東京大学編」IncluDE、産学協創推進本部、一般社団法人ライフサイエンス・ネットワーク・イノベーション・ジャパン(Link-J)共催 2024.10.25、小川真理子(おがわ まりこ)、Promoting gender equity and diversity: Efforts of UTokyo Gender Equity Initiative #WeChange, CNRS-The University of Tokyo Event : Women in Science ジェンダー・エクイティ推進オフィス、CNRS Gender Unit 共催(Web 開催) 2024.12.4、林香里(はやし かおり)、 安東明珠花(あんどう あすか)他学外1名、「#言葉の逆風を考える―脚本家・小説家 吉田恵里香(よしだ えりか)氏× 理事・副学長 林香里(はやし かおり)対談」ジェンダー・エクイティ推進オフィス主催 2024.12.9、林香里(はやし かおり)、森初果、本郷恵子、田野井慶太朗(たのい けいたろう)、「#WeChange 女性幹部養成プログラム ネットワーキングイベント座談会」ジェンダー・エクイティ推進オフィス 主催   7.4.4 東京大学部局主催シンポジウム報告等 表7-5 東京大学部局主催シンポジウム報告等 2024.7.25 安東明珠花(あんどう あすか)他学内関係者3名、「ラウンドテーブル「東京大学のジェンダーバランス不均衡を考える」国際高等研究所東京カレッジ、ジェンダー・エクイティ推進オフィス共催(ハイブリッド開催)   7.4.5 その他 表7-6 その他 (以下、講演年月日、講演者、題名の順) 2024.11.25、林香里(はやし かおり)、「東京大学のジェンダーギャップへの取組」特定非営利活動法人#YourChoiceProject主催産学連携ダイバーシティシンポジウム(校正者注:表の途中で改ページ) -----p.29 ※#WeChange報告書の詳しい内容は、#WeChangeWebサイトのcontentsページよりご覧ください。 UTokyo男女+協働改革#WeChange2024年度年次報告書 (https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/contents/)